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あゆみ誕生日記念SS 〜ある特別な『日』〜 2003Pekkomi.ver

[138]真田十勇士


ゆき   「あゆみさん?」
不意に聞こえた、その一言。
思わず、私は掃除をしていた手を止めてしまいました。
「あら、どうかなされましたか?ゆきさん。」
ゆき   「まさか、御自分の誕生日を忘れてしまっているのですか?」
「いいえ、忘れてしまった訳ではありませんわ、ゆきさん。」
ゆき   「では、何故?」
「それは、誕生日だからこそ、ですわ。」
ゆき   「ですが・・・、いいえ、だからこそ・・・。」
「歳を重ねるという事は、それだけ責任も大きくなる事も意味していますわ。それに、私も二級、ゆきさんには足元にも及びませんが、妹達の手本として、時には自らを犠牲にしても、守護に対する心構えを見せてあげないといけませんわ。ですから、その役割を果たせる様、自分を律してご主人様を守護する、という心構えを持ちたいのです。」
ゆき   「足元にも、だなんて、そんな自分を下に見て・・・。しかしながら流石は、あゆみさん。心構えは幼い妹達の見本としては勿体無いほど、そう、私達上級守護天使も見習うべき良い心掛けです。」
「そんな・・・。でも、お褒め頂き光栄ですわ。」
ゆき   「では、私は食器を洗っておきます。」
「それこそ、いけませんわ。私がやりますから、ゆっくりしていて下さいな。」
ゆき   「・・・・・。では、そうさせて頂きます。」
(ゆきさんの事ですから、わざと趣味にその思考を向け、私を試そうとしていますね。では、私の固き信念、お見せしましょう。)
私は心の中でこう言いつつも、掃き掃除を再開しました。
さっさっさっ・・・。
さっさっさっ・・・。
さっ・・・。
「ふぅっ、えーっと、ここは・・・。」
自分なりに頑張ってはいるのですが、なかなか終わりません。
キュピーン!
こ、この気配は、みかちゃん!?
いけませんわ、またなにか言われそうですもの。
ですが、作業を続けないと。
みか   「ただいま〜っ。」
「おかえりなさい、みかちゃん。」
すたすたすた。
「えっ!なにも・・。」
みか   「ん?なに?」
「い、いえ、なんでもありませんわ。」
みか   「あ、そ。」
すたすたすた。
ふう、私とした事が取り乱してしまいましたわ。
しかし、みかちゃんが何もせず通り過ぎるとは・・・。今日は雨でも降るのでしょうか。
さっさっさっ・・・。
さっさっさっ・・・。
さっさっさっ・・・。
さっさっさっ・・・。
「ふぅ、ようやくお掃除が終わりましたわ。でも、まだ一日は始まったばかりですわ。」
えっと、それでは、食器洗いを続いてやりましょうか。
ごしごし・・・。
それにしても、この状況、何日振りでしょうか。
たまみちゃんには、感謝しないと。
彼女のお蔭でなんとか無事なのですから。
ななちゃんとるるちゃんは、何かと甘えますから、彼女達がいないと集中はできますわ。
さぁ、仕事、仕事。
ごしごし、ごしごし・・・。
でも、彼女達はムードを明るくしてくれる。
それだけで、作業の能率は上がりますから、実際の所、能率は変わらないかもしれませんね。
でも、一気にやらないと・・・。
ごしごし、ごしごし、ごしごし・・・・。
「やっと、終わりましたわ。それにしても、らんちゃんやたまみちゃんは凄いですね。では、続いて昼食の支度ですわ。確か、今日のお昼はカレーだったはず・・・。」
ぐつぐつ、ぐつぐつ・・。
少し味見。
「あらら、ちょっと味が濃く、しかも辛くなっていますね。そういう時は・・・、」
そう言って、砂糖ではなく玉葱を出して、
「やはりここは、自然の甘みを使う方が良いですわね。」
ぐつぐつ、ぐつぐつ・・・
二回目の味見で、
「あら、これなら多分みどりちゃんでもOKですわね。」
気が付けば、もうお昼過ぎ。
でも、これでようやく、今日の仕事も大体終わりましたわ。
それにしても今年も、寒くなりましたね。
「あの時」以来、冬はあまり好きな季節ではありませんでしたが、今の私にはとても暖かい家族がいますわ。
そうですわ。
「ご主人様」という共通した大切な人を含め、私達は『ひとつ』なのですわ。
でも、自分では分かっていても、そこからちょっと抜け出したくなる・・・。
そんな時は、一体どうしたら良いのでしょうか?ご主人様。
自分では、もう何が何だか分かりません。
「はぁっ・・・。」
悟郎   「あれ、あゆみ、他の皆は?」
「(何故今日はこんなにも早くに戻られたのでしょう???)え、えっと、諸々諸々の事情で、今家にいるのは、ゆきさんと、みかちゃんと、私の三人だけですわ。」
悟郎   「それじゃあ、仕方ないか・・・。」
「何がですか?」
悟郎   「いいや、そんな大した事じゃないし。」
「それなら良いのですが・・・。でも、何なのですか?」
悟郎   「管理人のお爺さんに、ファミレスのタダ券を三枚貰ったんだ。でも、ゆきさん達は別に行きたくは無いと思ったから、さ。」
みか   「えーっ、みかは行きたいーっ!」
「私も行きたいですわ。」
みか   (えっ!あゆみが行きたがるなんて・・・、今日雨でも降るのかなぁ・・・。)
悟郎   「ゆきさんは、それで良いのかい?」
ゆき   「えっ、私は、その・・・。・・・では、私がお留守番していますので、どうぞ三人で行って下さい。」
みか   「悪いわねーっ。ゆき、(今日は途中で帰ってくるから・・・)この三人で。」
その真意をゆきは納得したのか、
ゆき   「ええ、どうぞ。(随分と気の利いたプレゼントですね)。」
悟郎   「じゃあ、ゆきさん。行くから・・・。」
ばたん。
ゆき   「ふぅ。意地を張るのも疲れは溜まりますよ?あゆみさん。」
そう言って、食事の用意の途中、味見をする。
ゆき   「いい味付けですね。思いが伝わってきますから。」
そう言いつつ、おもむろにベランダに出てゆきは一言。
ゆき   「あゆみさん、良い誕生日を・・・。」
一方、その頃・・・。
悟郎   「どう、何が食べたい?」
「私は・・・、そうですわね。グラタンがいいです。」
悟郎   「みかは?」
みか   「うーん、そうねぇ・・・。やっぱりカルボナーラかな。」
悟郎   「それじゃあ、決まりだね。すいませーん!」
店員   「オーダーお願いします。」
悟郎   「塩ラーメン1つと、グラタン1つ、あと、カルボナーラ1つで。」
店員   「では、復唱します。塩ラーメンを1つ、グラタンを1つ、カルボナーラを1つ。以上でよろしいですか?」
悟郎   「はい。」
店員   「では、メニューの方、お下げ致します。」
                       ・
                       ・
                       ・
このファミレスでのひと時は、みかちゃんと私が普段争っているとは、思えないほど楽しくお話をする事が出来ました。
しかしながらみかちゃんも、やはり上級守護天使だと改めて感じました。
彼女にも、落ち着いた大人っぽい部分があるのを再確認しました。
もっとも、当の本人は別のことを考えているみたいですけど。
すると、その当の本人が、
みか   「あっ、今日の買い物、みかだった!じゃあ先に帰ってるからっ!」
と言い残して、大急ぎで帰ってしまいました。
しかし、いつもの様に(まったく・・・。)と考えている暇はありませんでした。
なぜなら、ご主人様と、ふ、二人きりだったからです。
悟郎   「仕方ないな、みかは。じゃあ、帰ろうか。」
「はっ、はいっ!!!」
私はこの状況を冷静に考えようとしましたが、思考より想いが先行してしまいます。
トクトクトクトク・・・。
胸が高鳴って、ああ、私どうすれば良いのでしょうか?
そんな私に、ご主人様は言葉を発しませんでした。
いいえ、言葉無くとも思いは通じる、ですわ。
おそらく、みかちゃんには、一生掛かっても分からない様な事ですけど。
しかしながら、言葉が無いのは空気が重いですので、声を掛けようとしましたら・・・、
「「あの・・・。」」
なんと、ご主人様と重なってしまいました。
ですが、今日はこれ以上言葉を発するのは止めておきましょう。
誕生日なのですから、相手の方から言葉を掛けても、私に罰は当りませんわ。
悟郎   「あのさ、今日はこっちから帰らない?」
おそらく、何か考え有っての事でしょう。ですから、
「ええ、たまには遠回りで帰るのも、良いかもしれませんね。」
そう言って、私とご主人様は交差点をいつもと違う方向へ歩いて行きました。
そして、少し時間が経って・・・、
悟郎   「まずは、誕生日おめでとう。」
「ありがとうございますわ、ご主人様。」
悟郎   「それでさ・・・、」
すっ。
「えっ、これは?」
「誕生日プレゼント。やっぱりこれが良いと思って。」
そう言いながら、本みたいな物が入っているらしい包みの裏を見ると・・・、
「なるほど・・・、価値の有る物をどうもありがとうございます。」
これはご主人様ならではの考えですわ。
となりますと、お返しはやはり・・・。
ここなら、ほとんど人は通りませんから、最適と言えば最適ですわ。
悟郎   「いいや、これはあゆみが持っているべきじゃないかな?と思って。」
「では、私からもお返しを。すいませんが、目をつぶって頂けませんか?」
悟郎   「良いよ。これで良いのかい?」
ちゅっ。
悟郎   「!!?」
「いきなりですいません。ご主人様、私のお願いを一つ、聞いて頂けますか?」
悟郎   「いいよ。言ってごらん。」
「私はご主人様がずっと、ずーっと大好きですわ。そしてこれからも、それは変わりませんわ。ですが、みかちゃんみたいに、私は積極的ではありませんわ。そして、そのような事がある度に私は自分を殺してきました・・・。」
悟郎   「・・・。(あゆみ・・・。)」
「ですが、今日決めました。週末に自分を殺すのは、人前と、幼い妹達の前だけでよろしいですか?たまには、羽を伸ばしてみたいのです。」
悟郎   「・・・いいよ。」
「ありがとうございますわ、ご主人様。さて、早く帰りませんと。折角の誕生日にお説教をガミガミ言われては、溜まりませんわ。」
悟郎   「そうだね。じゃあ行こうか。」
なんだか、この時間が続いて欲しい気もしますが、それはそれ。
やはり、私達は『ひとつ』ですわ。
それに、一人だけの大切な人ではありませんもの。
皆のご主人様、私にとってのご主人様・・・。
自分と他人。
いずれにしましても、今日は今までとは違った素晴らしい日でしたわ。
あら、こうして考えながら歩いている間に目の前は玄関。
「「ただいま。」
「「「「「「「「「「「おかえりなさ〜い。」」」」」」」」」」」






後書き@
真田「初めての投稿が、まさか誕生日記念SSになるとは・・・。」
ルリ「しかも、これは、天福洞様へ投稿した物と同じですよ?」
真田「?、厳密に言えば違ってるぞ。」
ルリ「えっ、何処ですか???」
真田「何処とか、場所の問題じゃなくてお前が、だ。」
ルリ「!。確かに、天福洞様へ送った方のは、私が後書きには出てきませんからね。」
真田「そうだろ?」
ルリ「でも、質問があります。」
真田「何だ?」
ルリ「このSSであゆみさんが貰った物って、何ですか?」
真田「それは、一応自分なりの答えはあるが、このSSを読んでくれた皆様は、皆様だけの答えがある筈だから、あえて言わない。ご想像にお任せします、って事だ。」
ルリ「では、感想を期待しつつ今回はこれで・・・。」
がしっ!
ルリ「いった〜い!離して下さいよ〜。」
真田「おい、これは誕生日SSだぞ!?」
ルリ「あっ、そっか!」
真田「それじゃあ、せーの!・・・」
「「最後になりましたが、あゆみさん、御誕生日おめでとうございます〜!!!!!」」

2003年12月18日 (木) 22時44分




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